国道375号線・三次〜作木


 国道375号線は、広島県呉市を起点とし、東広島市・三次市を経て、島根県へと入り、島根県大田市へと至る国道。
 三次市中心部の市街地を通り抜け、国道54号線と交差したのちに西へと分かれ、江の川沿いに作木へと向けて下っていく。三次市作木町までの区間は、現在も未改良の区間が多いものの、道路改良が進められており、以前と比べるとかなり走りやすくなってきている。ちなみに三次市市街地から作木町の中心部へは、国道375号線を走るよりも、国道54号線から県道庄原作木線・便坂トンネルと走ったほうが距離が短く、時間も早い。




 国道375号線が国道54号線から分かれる交差点に、日山橋という名前の橋が架かっており、江の川に合流する直前の支流・神野瀬川を渡り、江の川の右岸へと移る。日山橋から先、国道375号線は島根県美郷町まで間、中国地方を代表する大河・江の川の右岸を通っていく。
 三次西小学校の前を通り過ぎ、日下(ひげ)の集落を抜けた先では、以前から道路改良工事が続いていた(左の写真)が、平成17年の日下わかあゆトンネル(延長342m)の開通をもって、この区間の道路改良工事は完成している。



 錦水園という名前の三次市のし尿処理場の前を通り過ぎた先に、幅員減少の警戒標識が建っており、改良済みの区間は終わり、未改良の区間へと入る。


 水を湛えた江の川の川面が見え、進行方向前方の護岸辺りに何か建物が建っている。
 これは、江の川から新熊見発電所へと水を送るための中国電力の取水施設。堰程度の施設であるものの、江の川ダムという名前がついている。



 柵で囲まれた資材置場の横を通り過ぎた先には、道路の川側に工事で発生したと思われる破砕岩が盛られている。



 右手の山へと鋭角に分かれる市道があり、道路右手に石積みが現れる。道路が右へ緩やかにカーブした先が、旧三次市と旧作木村の市村境であるが、現在は市村境を示す標識も撤去されてしまっている。



 三次市作木町に入ってからは、道沿いに点在する民家も見られるようになる。道路左手の法面に工事で発生した土等を盛って、部分的に道幅が広げられており、広狭混在した道となっている。



 唐香集会所の前を過ぎると、対岸の安芸高田市高宮町所木へと渡る、唐香橋という名前の古びた吊り橋が見えてくる。以前は山すその集落内に、民家の軒先をかすめるようにして1車線幅の国道が通っていたが、江の川沿いに付け替えられている。



 唐香地区を過ぎた先で、歩道付きの改良された道路のセンターラインが途切れるところに幅員減少の標識があり、未改良区間へと入っていく。ここからは、待避所がところどころにある1車線幅の道が続いている。



 このあたりは、道路右手の山の斜面がなだらかで、山すそが国道よりも少し奥へ逃げているので、前方は視界が開けており、民家のないところでは比較的見通しが良い。



 一方、集落内では民家と山側の田畑に挟まれるような形で進んでいくところもある。進行方向前方に江の川を渡る3連のトラス橋である、式敷大橋が見えてくると、川毛の集落に入る。


 集落の中を進んでいき、2車線に拡幅された道路へと出たところで未改良区間は終わりとなる。この先は作木町の中心部を通り、島根県境まで改良済みの道が続く。



 改良済み区間へ入った先ですぐに、国道433号線が左へと分かれていく。ここから先は平成22年4月に開通した延長972mの門田(もんで)トンネルを挟むバイパス区間となっている。以前は江の川の流れに合わせて大きな弧を描いていた国道375号線は、トンネルで3km以上ものショートカットを実現している。



 門田トンネルを抜けた先の横断歩道のある交差点で旧道が左から合流している。さらに、1kmあまり進んだところには、江の川カヌー公園さくぎがあり、道行く車もここで一息入れることができる。


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