主要地方道甲山甲奴上市線・甲奴〜総領


 県道甲山甲奴上市線は、世羅郡世羅町西上原で国道432号線から分岐し、三次市甲奴町を経て、庄原市総領町稲草で再び国道432号線へ合流する路線。甲山から総領までの距離は、県道のほうが国道よりも少し短いものの、所々に未改良区間が残るため、当然ながら国道を走ったほうが時間的には早い。



 三次市甲奴町で県道吉舎油木線から北へと分かれ、しばらく改良された道を走るが、県道太郎丸吉舎線との交点の少し先で改良済の区間が終わり、未改良の区間へと入っていく。



 道幅一車線余りの道が、山の形に逆らうことなく、右へ左へとカーブを切りながら坂を登っていく。




 坂を登りつめていくと道沿いに民家が建っており、切り通しを抜けてた先には、峠の頂上近くに太郎丸という名前のバス停と商店がある。今もこの道を通って、上下と総領の間を走る路線バスが1日2往復ある。



 その先には、北側に開けた谷に水田があり、谷のふちをぐるりと回るようにして道が続いており、道よりも高いところに民家が点在している。



 水田が広がる集落を抜けると、左手にやや切り立った斜面が続く寂しい山道となる。




 県道は等高線に沿って緩やかに下っていき、山から出てくる沢を渡るところにヘアピンカーブがある。とにかく川を最短距離で渡ろうとする意図が読み取れる。



 今でこそ改良された国道と比べると走りやすさという点ではかなりの差がついてしまっているが、国道の改良前はどちらも大差ない状況だったのだろうと思われる。
 



 三次市と庄原市の市境は、カーブの奥まったところにある。庄原市総領町に入ると、それまでの道よりもいくらか道幅が広くなったように感じられる。



 坂道を下りて行くと、案内標識があり、長谷川という川を橋で渡って、そこを左折。このあたりから点在する民家が見え、ようやく人の気配が感じられるようになる。




 山に挟まれた長谷川の狭い谷の右岸に広がる休耕田の中を進んでいくと、総領町の中心部がほど近くなったところでバイパスが整備されており、ようやく未改良区間も終わりとなる。


 この先は改良された道が続いており、田総川を渡ったところで県道の終点となる国道432号線との交差点へと至る。


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