主要地方道西城比和線・西城〜比和


 県道西城比和線は、庄原市西城町で国道183号線から分かれ、坊地峠を越えて庄原市比和町へ入り、国道432号線に合流する路線。



 国道183号線は、西城新橋で西城川を渡ったあと、右折して鳥取県との県境へと向けて進んでいく。その交差点を直進する道が県道西城比和線で、しばらくの間は大屋川に沿って片側1車線の改良済みの道路が続いている。



 直進方向に架かる上三田橋という橋の手前で比和方面は右へ行くように看板で案内されている。



 なお、直進して橋を渡った先にも、ほ場整備の関連事業として施工された改良済みのバイパスがしばらく続いており、完成形の終点で、谷の反対側へと渡る市道が分かれている。



 橋のたもとを右折した先には、川沿いに1車線幅の道が続いており、天神橋というバス停の周辺にある数軒の民家の横を通過する。




 杉の木立の中を通り抜けると、「←比和」と書かれた案内標識があり、左折して橋を渡る道が県道となっている。先ほどあったバス停の名前となっている天神橋はここの交差点にある橋。
 なお、交差点の横には、国上晋作という人を称える石碑が建っている。石碑の説明文には、国上氏が長年にわたって西城町森林組合長を務め、産業に貢献したほか、ここを直進して続く延長2,000mあまりの二本栃林道の開設に当たって、巨額の私費を投じた、と記されている。石碑は、その林道が通じた二本栃地区の人々が、昭和32年に建立したものである。

 



 木漏れ日が射す杉林と雑木林が混在する林の中を、勾配を緩くするために等高線に逆らわないよう、左右にカーブを切りながら登っていく。



 左手下へと分かれていく狭い市道があり、その市道の行き着く先は先ほどの改良済みの道路の終点。現道が通ってきた山の斜面の反対側に、バイパスが通っている様子がよく見える。



 黒谷というバス停がカーブのところにあり、その先の道路沿いに数軒の民家がある。そして、加谷橋という名前の短い橋で川を渡ると、再びうっそうと木が茂っている林の中へと入る。




 林の中を進んでいくと、道路左側の視界が開ける。谷沿いに続く水田よりも一段高い反対側の山すそに、工事半ばのバイパスが、現道のところどころから見える。



 西城町側で最奥部に位置する黒谷上という集落には、十軒ほどの民家が建っており、西城の市街地からこの集落までバスが1日3便走っている。終点となっているバス停は集落名ではなく、「馬酔(あせび)」という名前になっている。谷の幅が狭まったところで短い橋で川を渡り、県道沿いに建つ最後の家の前を通り過ぎる。



 いったん、今までの進行方向とはほぼ逆向きに、Uターンするような形で峠へと道が続いている。道路以外は人の気配がほとんど感じられない、寂しい道となっている。




 未舗装の林道が左へと分かれて、その先に安全標語が書かれた看板がある。看板の横を通り過ぎると、ほどなく標高695mの坊地峠の頂上にたどり着く。現在の道の形になるときにいくらか切り下げられたようで、道路の両側に背の低い法面が続いている。坊地峠の頂上は、西城町と比和町の町境であるが、町境を示す道路標識は、頂上から少し比和町側へと下ったところ、林道との交差点の先に建っている。



 比和町側に入っても人家はなく、静まりかえった寂しい山の中を県道は続いている。



 大きな左カーブを通ると平場があり、そこでは骨組みだけを残したビニールハウスが雑草の中に埋もれつつある。その先で、左手下にあるため池の横を通り過ぎる。



 ため池の先では、林道界谷小峠線という名前の林道の工事が進められている。界谷は先ほどのため池の下流、庄原市川北町にある地名。そして、交差点の先はなだらかな上りの短い坂道があり、この短い坂道の頂上が小峠とということだろうか。



 県道は再び下りの坂道となり、大きなヘアピンカーブを切って標高を下げていく。杉林の中の法尻に、下流の水田に引くためのものか、コンクリート製の用水路が姿を現し、人里が次第に近くなっていることを感じさせる。




 さらに2つの大きなカーブを交えて、杉林の中の坂道を下っていくと、林の中から抜けて前方の視界が開け、農道との交差点へ出る。



 交差点から先の県道は、改良済みの道路となっており、三河内の集落を抜けて比和の市街地へと向かう。しばらく改良済みの道を走り、比和の市街地が近くなったところ、比和温泉の看板が見えたところで、道路工事中の看板が建っている。



 ここから先、国道432号線との交差点までは未改良区間が残っている。かつては林業の街として栄えた比和の市街地へ入ると、県道の両側に家々が建ち並んでいる。



 T字状になった三叉路が、国道432号線の旧道との交差点で、交差点の角には主要地方道に昇格する前の、一般県道比和西城線の0キロポストも残っている。交差点を商店街とは反対の方向、右へと曲がって進むとほどなく国道432号線に合流する。



 なお、工事看板のあった箇所から、現道の南側でバイパスの工事が進められており、国道432号線の旧道を横切って比和川に橋を架け、郵便局の前あたりで、国道へ出る計画となっているようだ。


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