国道261号線・中三坂峠



 <現在の道>
 広島県山県郡北広島町と島根県邑智郡邑南町の間、県境に位置する中三坂峠の下を貫く、国道261号線・中三坂トンネル。延長は915mで、平成4年に竣工している。



 中三坂峠に向かって国道261号線を走っていくと、トンネルの手前、道路の両側に駐車場があり、そこを左側へと分かれていく道がある。この道が、中三坂峠の旧道へと続く道。ただし、入口はチェーンで封鎖されているので、旧道へ車を乗り入れることは出来ない。



 旧道の路面からは、ひび割れたアスファルトの隙間から雑草が生い茂っている。現トンネルのすぐ横・西側を通ったあと、ほどなく旧道のトンネルが姿を現す。トンネルの入口には柵が設置されている。



 入口に設置された柵は、端部に隙間があるので、そこから内部に足を踏み入れてみると、しばらくは落石避けのために屋根がかかった構造(あるいは、スノーシェッド?)になっており、明り取りのために日も射しこむようになっている。その先のトンネル本体の坑口は扉つきの壁で埋められ、中には入れなくなっていた。どうやら、倉庫か何かとして利用されているようだ。



 もと来た旧道を引き返す途中、トンネルから出た道が何か不自然に右カーブしているように見える。そこで、花が咲き乱れる現トンネルの坑口の上を歩いて反対側へ渡ってみる。




 すると、「40」の制限速度の表示が残る古びたアスファルトの路面が姿を現す。しかし、カーブの先で削り取られて、ぷっつりと途切れており、その先へは進めない。どうやら、先ほど歩いた道は現トンネルの工事により付け替えられたもので、こちらがもともとの旧道のようだ。


 現・中三坂トンネルを抜けて、島根県側へと出る。トンネルを出てほどなく、民家の前で旧道が合流しており、ここからUターンするような形で旧トンネルを目指して坂道を登っていく。



 トンネルの中を歩く小学生の絵で注意を促す標識が残されていた。

 こちらは路面から草が生えることもなく、良好な状態の道が続いている。杉の木立の先に、トンネルが見えてくる。


 しかし、やはりこちら側も扉つきの壁で入口は完全に封鎖されており、残念ながら中の様子を伺い知ることは出来ない。このトンネルは昭和35年の完成、延長は122mで、現在のトンネルよりもかなり短い。



 ところで、トンネルの右手(西側)の一段高いところに電柱が建っており、地形図では旧トンネル開通前に利用されていたと思われる旧々道が記入されていたのでそこに上がってみたが、完全にヤブと化して自然に帰ってしまっていた。ヤブ漕ぎは困難と判断し、撤退。


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